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2015年12月 5日 (土)

「音楽の集い」後記

11月22日の『音楽の集い』へのご来場ありがとうございました♪

昨年から実験的に、市民の方に気軽にオペラの音楽に触れて頂く事を目的としてデモ出演しています。
もちろん日頃からベルカント唱法が学べる私達の合唱団の宣伝も兼ねてはいるのですが、それでもマイクを使わずに生の声だけでホールいっぱいに朗々と歌う声楽に親しんで頂ける機会と思って出演しました。
しかも今年はオペラのワンシーンを再現した演出で役になって台詞のやり取りを付けて演奏したので、劇を観ながら歌を聴く様な感じで楽しんで頂けた様です。

オペラの歌ですから歌詞はイタリア語なので、日頃からこの類いの音楽に慣れ親しんでいる方以外にはモチロン歌の内容は解りません。
でも、演技を付けて歌唱の表現力を以ってすれば音楽の力で、フィーリングで楽しむことは充分可能です。
団長が深紅の薔薇の花をくわえて客席に向き直り、『あれかこれか』とスケコマシ男が女性の品定めをしながら調子コイた悪い歌を歌いきってルンルンと舞台袖に去って行った後に、箱入りお嬢様のウブな生娘ジルダの役の私が清らかな初恋の乙女心をあどけなく歌います。
この娘役はまだ10代の女子高生くらいのお年頃ですから、いいオバサンがゴメンナサイってカンジです。(笑)
可愛らしい清楚な衣裳で化けましたから、舞台ではオバサンなのはきっとバレてない事でしょう。
それに心はいつも乙女ですから(笑)、憧れのミューズの神様に恋する心情をフル活用して切なくうっとり歌いましたょ~!!
ミューズの神様、いつもあなたのお名前を呼んでいます、ってなカンジで♪

歌っている最中に客席が静まり返ってしまい、内心『ヤバイ、なんかシクったのか?全然ウケてないし~ξ』とか不安になりました。
まぁ、こんな歌、誰も知らないし仕様がないやと開き直って歌ったのですが、後でお客様から客席は食い入る様に耳を澄まして聴いていてシーンとなっていたと感想を頂き、ワケが分かって安心しました。
いつも歯に衣を着せない強気な発言をしている割には、私は自分自身については日頃から自己評価がちょ~低いので、すぐにネガティブに受けてしまうのです。。。(苦笑)
でも、最前列の小学生の女の子があんぐりお口を開けて魂を抜かれた様なお顔で聴いていてくれたのには、演奏しながら嬉しかったし、この女の子が初めて触れたオペラの音楽への責任も感じながら真摯には歌いました。

私のアリアの後は寸劇を挟んで団長との二重唱です。
スケコマシのマントヴァ公爵がおぼこのジルダを魔の手に掛けるなど朝飯前。
甘い愛の言葉を並べる悪男のマントヴァ公爵をジルダはすっかり信じてしまいます。
あわや、というところでお父様が帰って来た!?となり、夜這いは失敗!
さようなら、とスケコマ-シは出て行きます。
まあ、こんなシチュエーションの二重唱、しかもラストは『速い、高い、長い』の三拍子の揃ったテクニカル系のアクロバットな曲です。
ラストの音はハイD(デー)という2オクターブ上のレの音で、しかもその超高音を後奏の最後までデュエットで伸ばします。
コロラトゥーラソプラノとテノーレ・レッジェーロの魅せどころです♪
最後はバッチリ決まり、ブラボーも頂けました。
お客様には楽しんで頂けた様で、ここでやっと安心、ってホント自己評価低っ!!(笑)

声楽は打ち上げ花火と似ています。
導火線に火を点けて無事にドカンと大空に大輪の花を咲かせられるか、端また不発に終わるか、その音はギャンブルみたいなモンです。
テクニカル系のコロラトゥーラはいつも必死です。
自己評価を低くしないと、いつも自分を疑っていないと、大事なところでやらかすんです。(笑)
お客様から大きな拍手やブラボーが頂けて初めて安堵するという、華やかに見える舞台ですが実はいつも必死にコケない様に、まるでアスリートの様に歌っています。(笑)
でも、そんな事はお客様には一切関係の無い話。
天空に突き抜ける様な高音をストレスフリーで聴いて頂ける様に日々精進です。

お客様に声楽のアクロバットを紹介する今回のミッションは成功出来たかなと思います。
ただ、ひとつ残念なのは影マイクのナレーションでの演目紹介の原稿が勝手に改ざんされて読まれていました。
持ち時間にナレーションの分も計算してテンポや選曲を決めたのですが、改ざんされて端折られた分で結果的に持ち時間が余ることになりました。
お客様に前知識として情報を提供してから演奏を聴いて頂くという大切な役割が台無しになりました。
私達はプロの音楽家なので全て計算して演目を創ります。
原稿を断りもなく改ざんして演目全体を損なう事は著作人格権の侵害です。
また、年度によって不透明に独断で物事が行われるきらいもある、いわゆるマンネリ化や独断、馴れ合いのなあなあというやつですが、これも見過ごすことは出来ません。
文化や芸術を担う文化協会、といっても仕切っているのは市の関係者、つまり芸術家ではないアマチュアの人ですから、次年度に同じことが起こらない様にしっかりと意見して行こうと思います。

文化や芸術の裾野はまだまだこんなモンでしょう。
たまに敢えて苦労をして此処で活動する事になんか意味があるのか、と心が折れる時もありますが、客席で真剣な瞳を向けてくれる子供達を見るとやっぱりもう少しだけ頑張ってみるか…、ってなカンジです。
人間が人間たらんが為の最後の砦の文化や芸術。
世界では戦争モードになり始めている由々しき事態になっている今こそ、芸術家としての頑張りどころなのかも知れません。
美しいものを率直に美しいと感じられる人間らしい心を育む文化や芸術を、この世から無くさない様にまた頑張って行こうと自分にハッパを掛けました。。。

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